_ 先日、とある会合にお呼ばれして某社様のシステムを拝見する機会を得る。
_ システム的な概念自体は予想の範囲内ながら、 CPU 系と GPU 系の構造&機能バランスが秀逸で、完成度が高い上に、 「こういうのあったらいいよなぁ」と日頃思ってることがごく普通に 実装されていて、しかも、そのシステムの概念が反映されたスクリプト 体系をきっちり使いこなせているスクリプタさんが人数そろってる様子に羨望。
_ スクリプトの設計思想の方向性は、良くも悪くも「職人的」で、 私が現時点で求められていて、課題にしてるのは「素人でも比較的均質に スクリプト作業できること」なのでこの点では意見衝突しまくりんぐ^^;
_ 2つの方向性のおとしどころは「ツール化」なのですがなかなか……。 ツール化の重要性は先方ももちろん認識されてて、実際いくつか、かなり いいかんじのツールもお持ちなのですが、演出支援の分野では時間不足で まだまだ手付かずとのこと。この点についてはどこも同じなのかもしれません。
_ ああ、しかし、ああいった出来の良いものを見てしまうと、あと2年ぐらいは 吉里吉里2ベースでなんとか、と思ってたのが、ぐらぐらゆらいでしまいます(苦笑)。 膨大なレイヤの多重変形合成とエフェクト処理を行なうにはCPU合成系では どうしても越えられない壁があるのです。
_ 吉里吉里2はアーキテクチャ的には 2000年頃の段階で完成していたのだそうで、 その点での古さは否めないものがあります。吉里吉里3はアーキテクチャ的には、 その拝見したシステムのやや先あたりを見据えたものではあるのですが、 いかんせん実稼動までにはまだまだ時間が必要。
_ ま、とりあえずは、うちの現時点の課題範囲をがんばって、 それがなんとかなってから次を考えることに。
_ ……と言いつつ、吉里吉里2のソースをへろへろ眺めてたら、ここに口を つくって外部拡張(OpenGL か DirectX ベースのフレームワークの組み入れ) をつっこんでしまえば、あと2年どころか5年は戦えるエンジンになる! ってのができそうな部分を探し出せてしまったので、つなぎで どんなもんでしょうと打診中。
_ 微妙に関係する話
_ 現在のえろげ系の標準解像度は 800×600 が主流なのですが、 昨今のディスプレイの画面サイズは極端に広く、わりと解離してしまっています。 特にノートPCなどで、液晶パネルの特性の関係で、単純にフルスクリーンにすると 変に拡大されて見苦しくなる現象がよく見られます。
_ あと、ワイド系でフルスクリーン化するとアスペクト比の問題で不幸な現象が発生することも。 TVでプレイしてるプレイヤーもいるし、演出上の要請からワイド仕様でゲームを 作成しているところもぼちぼちでてきているようで、さらに事情は複雑。
_ 吉里吉里でも、こういった問題に対応するために、-fsres などのオプションが追加されていたりします (解像度そのままで吉里吉里のエンジン内部のダブルバッファ処理部 GDIorDirectX でズーム処理)が、 これは画面がでかすぎる場合にはマウスカーソルが小さくなりすぎてちょっと不幸です。 あと、現行の吉里吉里は解像度指定が合致しないフルスクリーンにはできないため、 ワイド系の画面の場合、そのままでは単純にはフルスクリーン化できません。こちらはソフト的な 工夫で対応は可能で、今後、最適解像度探索ロジックまで含めていろいろ改良が施される予定とのこと。
_ それ自体は wktk しながら待つとして、マウスカーソルのサイズとも関連してくるのですが、 そもそも「拡大」してしまうと、画像はともかく、テキストがぼけぼけになってしまうのは とても目について悲しいです。テキスト&UIは、可能ならベクタで最大高解像度で表示したい、 と思っている人はけっこういるのではないでしょうか。
_ ここで DirectX ベースのバックエンドが存在していれば、ラスタな画像画面は 適宜拡大表示しつつ、さらにその上に高解像度&ベクタでUIと文字を表示してしまう、 という技が使えるわけなのでした。バックエンド改良がうまくすすめばその流れで しこんでしまいたいところです。UI 系記述は SWF で。
_ もちろん現行の吉里吉里でも、原理的には、高解像度の表示バッファを準備して、 画像部分は毎回拡大コピーして、その上にベクタ処理描画、とかできなくは ないのですが、その場合はハードの支援が一切うけられないため、 激しく重くなるのは確実なのでした^^;
ゲーム音楽のインタラクティブ性の記事がとても興味深い。
ノベルゲームへの応用はむずかしそうだけど^^;
状態(好感度など)に応じて BGM が変化とかはありでしょうね。
_ PeasSoft の「つくしてあげるのに!」の体験版。 DAI氏の DAI System (※ページで公開されてる Java 版とは別) でちょっと驚いた。月面基地前のつかってたシステムですね。しすたぁえんじぇるとからくえん(PBマダー?)とか レイヤをうまくつかった演出系のはしり。ということで例によって エロゲ系ゲームエンジンリストに追記。 オプション画面とかの切り替えのフェードがやたら時間長くなってるのが気になる。 演出的には体験版の範囲ではあんま芸はないかんじ。フラッシュ多用しすぎ。 あと、スキップ時も画面書き換え時にメッセージ窓を消去してる関係で ちかちかするのがちょっと目に優しくないかも。前からこうだっけ? あとでらくえん再インストールしてみるか……。
_ 念のため前作もチェックしてみたけど吉里吉里ですな。使いこなせなくてのりかえたのかしら……と 一瞬おもったけど、体験版プレイしてみるとごく普通に使いこなしてますね。謎 \
_ Sky-Hight feat.GIGA の「彗星に願いを…」の体験版。例の戯画のADV System (名称不明)でした。 やっぱ水平展開してますね。しかし立ち絵が見た瞬間微妙だったのですぐ中断^^;
_ 戯画PB の Asa-Project の処女作「めいくるッ!」の体験版。吉里吉里でレイヤ演出をかなりがんばってます。 あと、内容もたのしくてうまくレイヤ演出とマッチしいて、これはわりと当たりな予感。 素に近いKAG ながら、マクロとTJS での関数定義をうまく駆使してる模様。すばらしい。 ただ、セリフにタイミングをあわせたいがためか、わりと強制待ちがはいりまくってて、 セリフがとばせない部分が目につくのは減点要素^^;
_ ファーストインプレッションとしては「Java WebStart よりはるかに普及しやすそうだ!」(苦笑)
_ Flash や DHTML が基礎技術なので、WEB デザイナさんとかが プログラム方面にも足をのばすいいチャンスなんじゃないかなー。
_
Win/Mac で動いて、あと将来的には Linux も視野に入ってくるというのも
あるので、ちょっとしたツール系はこれをベースに組むってのはわりとありだと思います。
.NET で Mono よりも現実的だし、Java で Swing するよりかっこいいものがつくれるのは確か(苦笑)
まだα版では実装されてないのですが、個人的にとても期待してるのが、PDF の処理モジュール。
印刷を視野にいれたツールを組むための環境として非常に強力なものになるといいなぁ。
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