「電波とどいた?」
2010/08版 その3

2010/08/22 (日)

体験版チェック (えろげ)

毎度恒例。

_ のーぱんつ(MolaMola Software)体験版。システムは Majiro。1024×576のワイド。 ボイスカット指定あり。キャラ別音量あり。キャラアクションあり、エモーションあり。 カメラワーク演出あり。表情変更は一瞬。表情窓ありで話者表示。

_ この歌が終わったら(Hourglass)体験版。システムは RPM Adv System。1024×768サイズ。 ボイスカット指定なし。キャラ別音量あり。表情変更は同期。

_ ふぇいばりっと Sweet!(LostScript)体験版。システムは独自。 ボイスカット指定あり。表情変更は同期。クリックで演出はキャンセルされない。 オート継続指定あり、なんだけど AUTO 再押しでキャンセルできない。右クリックでキャンセル

_ ラブ・バインド(13cc)体験版。システムは RealLive。 ボイスカット指定あり(その他の設定の詳細画面から)。表情変更は同期。 表情窓ありで話者表示。主人公表情あり。表情変更は同期。クリックで演出はキャンセルされない。オート継続。 Ver1 ではゲーム部がえらい微妙だなと思ってたけど Ver2 で表示が改善されて組み合わせが一覧できるように なって、これなら遊べるかなってかんじに。GIRL's SIDEあるから主人公立ち絵が準備されてるのね。

_ 邪!!ぱんでみっく(Kur-Mar-Ter)体験版。システムは RealLive。 ボイスカット指定あり。表情変更は同期。クリックで演出はキャンセルされない。オート継続。

_ Green Strawberry(LOVERSOUL)体験版。システムは吉里吉里。 ボイスカット指定なし。キャラ別音量指定あり。表情変更は同期。表情窓ありで話者表示。 イベント絵時は表情窓なしで高さも低い別デザインメッセージ窓に差し替え

_ 星空へ架かる橋(Feng)体験版。システムは Yuka System。1280×960サイズでちょっとびっくり。 ボイスカット指定あり。表情変更は同期。

_ 恋神-ラブカミ-(PULLTOP)体験版。システムはWILL系のいつもの。CTRLバインド変更取得できない不具合あり。 ボイスカット指定あり。キャラ別音量指定あり。表情変更は同期。キャラアクションあり。エモーションあり。 ネタ神様かとおもったらまんまだったでござる。「ら」って、スタッフはらくえんスキーなのか?とおもったら次は「ぶ」だった(苦笑)

_ こいぷれ(Meteor)体験版。システムは吉里吉里。ああ、SilverBullet傘下になったんだっけか。 ボイスカット指定なし。キャラ別音量指定あり。システム音量系は別指定。表情変更は同期。 クリックで演出はキャンセルされない。ここの組み方流儀は消去処理をトランジションでなく αフェードでやってるようで表示がすこしおかしい

_ OrangeMemories(パープルソフトウェアdelight)体験版。システムは Majiro。あれ? ^^; さらなる別外注ラインなのか。 1280×720 のワイド。ボイスカット指定あり。表情変更は一瞬。キャラアクションあり。背面立ち絵あり。表情窓ありで話者表示。

_ オート継続機能の状況をチェックに追加してみた 「クリックでオートがキャンセルされない、またはその動作を変更できる」という機能を指してます。


ノベルゲームのクリック操作 (えろげ)

_ おかしいことになってる某スレ派生の余談

_ いわゆるノベルゲームのクリック操作の基本は「次テキスト/ページの表示待ちの解除」です。 同時に、多くのシステムでは「エフェクトのキャンセル」という意味もあります。

_ クリックの待ちの原則は、「1クリックでメッセージ全表示、1クリックで次テキスト」またはテキスト瞬間表示なら「1クリックで次テキスト」 なのですが、表情変更が入るとこれが崩れます。おそらく表情変更が大量に入りはじめる前はさほど問題ではなかったのですが、 最近ではテキスト毎に変更するのでこれが確実にテンポを崩してしまいます。表情変更でクロスフェードしている場合、 エフェクトキャンセルできないシステムだと表示を待たされ、できるシステムでも、テキスト毎に1回余分にクリックする必要が出てきます。 これはわりとうざったいため、常に effect off にしてしまう人がでてくるのはこれが大きい原因だと思ってます。

_ 表情変更時は一瞬ないしかなり短い時間にする、といった対応をとってるメーカーはそれへの配慮をしているのでしょう。 ただ、それだと見た目的にはやや微妙です。技術的にこれをスマートに解決して表現と快適さを共存させる方法は、 メッセージ表示と表情変更動作を非同期動作させることです。 表情変更が裏で進むならクリック回数自体はテキストのみの場合と変わりません。 アクション動作との整合も良くなります。ただ、実現するにはいわゆるトランジション(クロスフェード)の 非同期実行機能が必要なので、まだまだ搭載しているシステムは少ないようです。

_ 関連して「待ち命令」にも同種の問題があります。いわゆる「時間待ち」命令は、 もっぱら画面効果や音声効果の後の「余韻」として使われます。 ところが、この命令を使うと、キャンセル可能な場合に「効果キャンセル用のクリック回数が1回余分に必要」 という状態になります。望ましい動作は、エフェクトの直後の待ちはクリック時に合わせてキャンセルされることですが、 自動的に必要なところだけ待ち命令を吸収するのは実装が難しいので、 エフェクトを待つ命令に「追加待ち時間」を記述できるようなスクリプト体系を組むのが無難です。

_ 吉里吉里/KAGEXでは、初期のころからこれを考えてトランジションについては追加待ち指定ができるようにしてあったのですが、 スクリプタさんが、画面変換に限らずあらゆる場所に wait 命令をはさむ傾向があるのに気付いたので、 同期待ち可能な命令系全般に「追加待ち時間」を拡張しました。 例えば移動動作 [瑠璃子 左 time=1000 wait=1000] だと、「左の位置に1秒で移動したあと1秒待つ」といった動作になります。 [se00 wait=1000] だと、SE再生完了の後さらに1秒待ちます。いずれもクリックでメインの処理を飛ばした場合は追加待ちはありません。

_ クリックに割り当てられていることが多い動作がもう一つあります。 「オートのキャンセル」と「クリックのキャンセル」です。これも最初期のシステムから定番だったこともあり、 多くのシステムが採用している仕様なのですが、後者はともかく、前者は実は不適切というのが最近の結論です。 オートモードの使い方の一つに、「基本オートですすめるけど、場合によっては適宜クリックでとばしたい」という ニーズがあるんですね。この場合、クリックでオートがキャンセルされてしまうと明らかに不便です。 AUTO再生の倍速調整が可能な LittleWitch の作品では顕著に感じることができます。 実際、最近のLittleWitch 作品ではオートキャンセルを抑止できるコンフィグ項目が詳細の中に追加されました。

_ うちがシステムを手がけてるタイトルでも、今年頭のくらいからは、メニューバーか「吉里吉里設定」で動作切り替え できるようにしてあって、作品によってはゲーム中のコンフィグに項目があるものもあります。 次からはデフォルトをキャンセルしない側にしてゲーム中のコンフィグ画面には特に項目を載せない方向で考えてます。 それ固定で誰も困りません。関連して選択肢で、オートキャンセルを選択できるシステムは最近わりとありますが、これも「継続固定」で問題ないでしょう。 RealLive は今標準でオートはクリックではキャンセルできなくなってるようです。みんな真似しようぜ。

_ どうも作り手側は「作品の演出を全部みてほしい」ってのが念頭にあって、 こういった細かい「すっとばしを快適にする機構」には頭がまわってない、あるいは目をそらしてる気配がなきにしもあらず




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