「電波とどいた?」
2007/10版 その3

2007/10/30 (火)

なんでこの時期になってまだ蚊がうようよいるのん?(涙) もともと最近各種マスター関係のせいで、体内時計くるってるってのもあるんだろうけど、 さされまくってかゆくて目がさめた。


アニメのビジネスモデル (アニメ)

ということで与太話。 アニメは今期は「電脳コイル」と「クラナド」と「Myself;Yourself」だけ みとけばいいかなーな今日このごろ、皆様いかがおすごしでしょうか。

大仰なタイトルですが、大した話ではなくて……。 最近そういう話題をよく見かけるわけですが、その時、頻繁に 例の経産省のアニメのビジネスモデルの話が 前提としてひっぱられてきているように思います。

それを見てて思うのが「あのモデルって今のアニメ業界に即してるの?」という疑問。 この模式図だけがひとり歩きしてる感が強いです。

版権ビジネス部分も一応入ってますが、これって基本的に古いモデル、 製作がアニメと直接の関連が薄いスポンサーから広告料を集めてきて、 TVCMの付属物、あるいは、そのスポンサーの商品の広告としての アニメを制作に発注するモデルですよね。このモデルはあくまで「例」で あり、またあの文章の位置づけ的には今後変えていくべきものであり、 また、実際、既に多くの場合かわっているのではないかと思うのです。

現在、深夜アニメ系の多くは、スポンサーをいろんな方面から集めた 製作委員会方式をとっていて、アニメそのもの+関連版権物の販売で 利益を得るスタイルになっていると聞きました。つまりこのモデルとは そもそも合致していません。どこがお金を出している主体かによって、 お金の流れの意味合いが全然違うはずなのです。 そのことに関する議論が見当たりません。

TBS系列の局はアニメに熱心なようで、特に深夜アニメ系については、TBS 自体がわりと 仕切ってるようにみえます(実際はいろいろ製作会社と連携してるんだとおもいますが… エンドロールを細かくみていけばわかるのかなぁ。こういうのを解説してくれる識者がほしい)。 つまりTV局自体がスポンサー(の一部)であり、企画を立てて、予算を組んで、権利を おさえて、という製作を直接とりしきりつつ、制作に発注してアニメをつくり、 自局ネットで宣伝して、そしてDVDの利益をおさえているわけです。 この場合「中間搾取」ではありません。最初のお金を出してるわけですから。

もしかしたら制作への発注が不当に安くて搾取かもしれませんが(笑)。 すくなくとも Key 作品のアニメ化の京都アニメーションに おいては、アニメーション制作会社が資金レベルにまで食い込むことに よって、そういう状態ではないように思います。

マーベラス、AVEX、Aniplex とかがアニメーション「製作会社」になるのかな? これらが関わってる作品は、例のモデルのような「スポンサーを探す」+「版権商品を他社に作らせて版権料を集める」と いうよりは「コンテンツ保持者のスポンサーになる」+「版権商品を自社で作って売る」 というモデルで動いてるように思えます。CDとかだしまくりですね。 コナミのアニメへの取り組みも同じような位置づけで、あとブロッコリーもかな。 このあたりは、結構ゲーム業界のモデルに近い印象があります。

また、出版系は例の図には出てきてないわけですが、最近は角川グループの存在感が ぐっとあがってます。もともとメディアミックス展開の原作供給源としての 存在感はあったわけですが、最近はファンドとかつくったりして、アニメづくりの 資金を提供する「スポンサー」としての立場を強めているように思います。 そうすると例の図とはそもそも構造が逆、つまり、自分のもってる版権コンテンツ(出版物)の 供給および流通が主体であり、アニメ(放送)は「ゲーム・出版とまたがる版権ビジネスの1素材」 という位置づけになっているわけです。

視点を制作側にうつすと、 GONZO は、あの図では「元請けプロダクション〜作画プロダクション」に該当しているかと思いますが、 ここは、ファンドをつくることで自ら資金を集めてスポンサーとなり、自分たちでアニメを作り、 それの販売を利益とするモデルを立ち上げたところだと認識しています。 この場合、TV放送は完全に製品そのものの広告手段ですね。今、なかなか 売れるものがつくれなくて苦労してるようですが……。

最近一気に名前をあげた京都アニメーションも、GONZO のようなファンドを立ち上げ、 とかまではいってないですが、かかわった作品の製作委員会にちゃんと出資して参加している という話を聞きました。つまり、制作とスポンサーと、どちらのサイドにも属しており、 単なる下請け構造の中にはいないということになります。 レベルの差こそあれ、同じような試みをしているプロダクションはほかにもあることでしょう。

で、ここまでの記述は、あくまで私が業界の外部から観察して得た知見+Wikipedia と ぐぐってでてきた記事を眺めつつ、現状動いてるモデルをてきとーに想像したものです。 もっと具体的な構造についてはよくわからない、というのが正直なところで、 アニメ業界内部の人には、そのあたりが実際どうなってるのかをもっと 具体的に発信してくれると興味深いし、話もひろがるのになぁと思うのでした。 愚痴は混ぜる程度でひとつ。

まあ、実際自分がいる業界を客観的にモデル化して提示するのは難しいよね^^; 基本的には元請けのプロデューサクラス(IT業界だとプロジェクトマネージャクラス) 以上にならないと、自社〜他社まで含めたお金とリソースの流れは正確には把握できないだろうし。 ゲーム業界とえろげ業界も足つっこんでるけど、いまだ謎だらけだ。

最近の話題の方向に話をふると、ここであげた中では「角川」が、 以下のような理由で一番ネット系との親和を深める可能性が高いだろうと思ってます。

  • TV網とネットは配信手段として直接的なライバル関係にあり、TV局がネットに参入するのは壁がある
  • アニメ製作専門の会社はもちつもたれつのTV網との関係を崩すのはリスクが大きい
  • 出版系のコンテンツ流通はTV網への依存度が低い

TVにそっぽを向かれても、本業であるところの出版(小説・漫画・ラノベなどもろもろ) が揺らぐわけではないので困らない、というやつですね。 実際、角川が YouTube と提携してみたり、BitTorrent に出資してみたりというのは、 そのへんを踏まえての流れなのだと思います。近い未来にニコニコとかのネット上の動画系オンリーで アニメの公式放送が行われるとして、最初にやるのはたぶん角川系になるんでしょう。 次点はTV網への依存度が比較的低いゲーム系コンテンツをコアにもつコナミかなっと。

追記。タイムリーな記事発見。 テレビ局はアニメのお金の中抜きをしているか? 「黒ネット」「白ネット」「製作委員会方式(テレショップ方式)」の解説。


Vista さん対応の話 (吉里吉里, えろげ)

たれこみ情報。 例の全く対応してなかった Vista 版と2度にわたるつくり直しで話題になった 群青の空を越えて Vista 対応版(修正版) がでたそうです。 さすがに気合いいれて対応してるようです^^;

特大アイコンは単純なのでうちもちょっと前から対応かけてますが (ちなみに Visual Studio 2005 が対応してないし、吉里吉里付属のアイコン 差し換えツールでも処理できません。うちは IcoFX でつくって ResHacker ではめてます) Rich Saved Games と Game Explorer 対応はしてないなぁ。というか後者は一応知ってたけど 前者は不勉強で知らなかった--; 対応検討しますかね。

そういえば。「署名対応」ってどのくらいすすんでるんだろう。おもいきりセットアップ時に 警告がでるので、署名ないと体裁悪いんですが、いまのところうちがかかわったゲーム作品では 署名をきちんとつけてる例はないです。次の某コンシューマ大手さんがらみの仕事は規約に なってたので先方がつけてくれるはず。

コードサイニングの手引きみたいな資料つくっとくほうがいいかしら?




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